・ Fate/UBW:第2話『開幕の刻』
2時間かけた怒涛の導入が終わり、凛ちゃん先輩と言峰先生による解説フェイズ! という感じの第二話(実質第五話)
こうしてまとめて見せられると、Fateの導入はイベント/アクションシーン多かったなぁという感じだったわけですが、その分溜まりに溜まった設定説明をUFO名物ぐるぐるトークを交えてたっぷり行う回でした。
無論弛緩したまま終わらせないのが良質のエンターテイメントというもので、白いロリータが巨人連れて襲撃してきたところでヒキ。
ココらへんの『なんだかよく知らねぇが、すんげぇことに巻き込まれちまってるぜ!!』感はやっぱ天下とったお話だわスゲェ。

お話のBPMが下がる回であり、設定説明とモチベーション強化が主な仕事。
露骨な巻き込まれ型PC1である志郎をフックするべく、神父は冬木大災害というキャラの根幹に関わるネタをくすぐり、凛ちゃんさんはツンツンしたりデレデレしたりし、セバ子は可愛かったりした。
……凛ちゃんさんはツン/デレの落差より、完璧/ポンコツの落差でキャラに愛着を生んでいるのでちと違うか。
やっぱUBWの士郎は感情導線が解りやすく描かれていて、一生アルトリアを目の端で追いかけてる一目惚れっぷりとか、見てて面白かったです。
士郎くん、マジで見過ぎ。


あ、こっからTRPG的モノイイをします。
UFO士郎は非常に素直であり、自分の脳内士郎より遥かに優れたPC1でした。
巻き込まれた闘争にギャーギャー言うだけ行って、でも戦う覚悟は手早く決め(≒システム全体の目標には貢献す)るし、シナリオコネであるセイバーのことは全力で好きになるし、PC2である凛ちゃんさんへのトス上げは巧いし、『こいつがPC1なら、そらキャンペーンも上手く行くわ』と思えるプレイング。
キャラを維持したままGMが用意している(視聴者が見たい)セッティングに飛び込んでいく姿勢とか、驚き役としての仕事っぷりとか、キャラとしての任務をスマートにこなしている感じで、とても見やすいですね。
ここら辺は、メディアが変化する時に行われた再編集、原作要素の取捨選択が巧いんだろうなぁ。

無論そこら辺は周辺のトス上げが上手く行ってるおかげでもあって、特に神父の『こいつが黒幕で超悪いやつですよ! ZERO見たなら知ってますよね!』感と、必要なタイミングでの必要な情報出しは老練なマスタリングを感じる。
一般人である士郎(≒プレイヤー)にとって聖杯戦争だの魔法だのはあくまで別天地の話であって、シナリオに食い込む理由は一目惚れしたシナリオコネと、経歴欄に書いてある『冬木大災害:キミはあの地獄を生き残った。ならば生き延びねばならない。それは願いでも夢でもなく、生き残ってしまったキミの義務である。クエスト:義務を果たす』というパーソナルクエストだけ(アルシャ脳)。
きっちりキャラシートを見て、個人的感情をくすぐって主人公をフックするのは、同時に視聴者もフックするいい手筋だったと思います。
名前を出さずに切嗣を絡めたロールをすることで、自キャラの表現と伏線張りを同時にこなしているのも流石。

主人公に現段階で必要な情報とモティベーションは配り終わり、必要なのはピンチとアクション。
殺伐としたオッサン祭だったZEROで、可愛い可愛い祭りを担当していたイリアの荒みっぷりが同表現されるかとか、いろいろ楽しみですね。
セイバーのパワー剣術描写が巧かったので、バサカもキャラが立つアクションシーンが見れるといいなぁ……(バサカ好き男)

 

・ selector spread WIXOSS:第3話『その再会は偶々』
少女残酷絵巻第二幕も第三話、いろんな人の熱情が渦を巻いて交じり合わない少女殺油地獄。
アクター各員のモチベーション再確認というか、『何が欲しいのか』という部分、そして他人の『何が欲しいのか』をどう思っているのかを全員分追いかける話でした。
実際このアニメ群像劇であり、登場人物は多くアクターの背負ってるクエストとモチベーションは複雑多岐。
ここら辺で纏めてもらえて、正直助かりました。

今回の新顔は世界の果てで子供をいびる少女ことマユさん。
"繭"という名前の通り、他者を恐れ庇護を求めて世界のルールそれ自体を作ってしまった感じの娘。
おそらく繭(過去)-タマ(現在)-ウリス(未来)で三女神という初期配置からルリグが生まれたんだとは思うのですが、肝心なこと言わないまま記憶喪失の子供に重荷を背負わせる当たり、このアニメらしい根性ドブゲロ女です。
だーからタマ公はそこにまつわる記憶がねーんだから、押し付けられても反応できないでしょ!!

そんなわけで、新たなクレイジーサイコレズに見初められ、自分を大事な人と切り離した張本人(片割れ)と結託させられた悲劇のヒロイン、タマも再登場。
物語開始時は「ばとうー!!」しか言わないバトル蟲だった彼女も、親愛と寂しさ、罪悪感と後悔を知った立派な少女になりました。
それ故ラスト、ウリスさんが超ドヤ顔でカードを出す展開は「や、やりおった……」としか言い様がないヒキの強さがあった。
るぅ-イオナでシャッフルするなら、そらウリス-たまで対比させるよね。

タマ-るぅは相思相愛すぎてビビるくらいですが、全て打ち捨ててタマ公との友情エンドにするには障害が多い。
その一つがるぅのバトキチっぷりであり、仲良し三人組の間ではなかったことになっていても、一人ハブられてるイオナさんが指摘するとおり、るぅにとってバトルは天性なわけです。
都合の悪い真実に耳をそむけ、舌触りの良い友情を堪能する三人の絵面は一見美しいですが、同時に『それだけで事態が解決するほどこのアニメ都合のいいアニメじゃねぇよな』という感想も出てくる。

『るぅはバトキチ』であるという事実を否定して新天地に赴くのか、それともそれを受け入れて世界を革新するのか、それとも落ちるところまで落ちるのか。
ここら辺が話の落とし所のコアであると同時に、クレイジーサイコレズにして天性のバトキチにして純愛の修羅、イオナさんをどう扱うかに繋がる部分だと思います。
イオナさん最高に気持ち悪いけど、感覚している事実それ自体は真実だし『彼女をハブってタマとラブってハッピーエンド』というのは、ちと自分的には納得行かねぇ。

るぅの気持ちをガン無視したロジックだけで言うなら、イオナさんの言うとおりバトキチになって他人を踏みにじれば、己の本性に素直な気持ちのよい生き方が出来る。
でも同時に、四人が一期で感じた友情(これをシュシュというアイコン一個にまとめ上げてあるのは、さすがに巧妙な所です)も真実であり、相反する二つの真実の止揚が出来るか否かが、収まりのいい落とし所を手に入れる上で重要なのかなぁ。
そして『相反する二つの真実』それぞれの代弁者が、イオナとタマなのではないかなぁ。
そんなわけで、気持ち悪いのも判るけど少しは自分のルリグとお話せんとアカンよ、るぅちゃん。
……いや、マジキモイけどさイオナさん……アンタも少しは共感能力にエンジンかけないないと、誰も幸せにならんぞ……。


主人公周りはそんな感じでまとめられるとして、あきらぶりーは重依存系百合純愛派で、ウリスと心中ルートが見えてきた。
……現状、ポジティブな感情で晶を拾うキャラが誰も居ないので、そこしか見えないんだよ!!
一度知った愛から遠ざけられ、渇望に呻く晶の姿は、実は繭に監禁され利用されているタマと同じものであり、どげんかせんといけんよ、ホンマ。
過度の正しさをブンブン振り回せる遊月の独善が今回よく出てたのもあって、今後の課題を見せていく回だったのかなぁ、と思います。
控えめながら要所要所でクリティカルな言動をする一衣の、バランスの良さよ。

前回のヒキから途中経過をぶっ飛ばしてバトルすることになったウリス-ちよりのラインは、意図的に隠蔽されていて全然判んないですね。
ちよりはワイルドカードとして動くアクターなので、彼女という札が表になり、行動理念と目的が確定した時が物語が収束するタイミングだと思うのですが、今回隠蔽したということはまだグネグネするんでしょうね、このお話。
いやー、すげー面白いネ、このアニメ。

 

・ Gのレコンギスタ:第4話『カットシー乱舞』
ノリと勢いで海賊サイドに引っ張られてったベルリくんですが、その思惑とは裏腹に武力衝突が起こり、死人も出てしまった回。
どっちかというと世界情勢を説明して、アメリアサイドとの交流を深める話だったのかなぁ。
天才の出番多かったし。
海賊なのでカリブの秘密基地という、あんまりにあんまりな直球ぶりが好き。

ベルリくんはこっちが思っている以上に、カーヒル大尉を殺傷してしまったことを気に病んでいるようで、その返せぬ借りを返すべく、アメリアに付いている状態。
無論、姫様への好意もあるんだろうけどね。
しかしながら国と国とがメンツと権益を背負って押し引きしている状況では、そのイノセンスな人道主義はあんま通らんのではないかと思ったりもする。
現に天才の不意打ちの材料にされちゃったし、自分がぶっ殺されそうな状況では殺す選択する少年なわけだし、いろんな矛盾を抱え込んでる主人公で面白い。
今回さらっと描写されたGセルフの不思議パワーが、そこら辺を突破する鍵になるのか、ならんのか。

一見不殺で通しているように見えてキャピタルガード側は七人死んでるし、アメリア側にも死人は出ているだろう。
お気楽な空気漂うキャピタルガード出陣と、帰還してる最中すら死人が出る帰路の悲惨さは、いい対比になっていた。
己の不首尾な指揮を嘆くデレンセン大尉のシーンは、キャラへの好感度の上がるいいシーンだったなぁ。
戦闘においても現状、エース・オブ・エイセズだしな。

個人的な思惑が、微妙に組織の狙いとズレてるのは姫様も多分同じで、キャピタルへの牽制と新技術・Gセルフの獲得を狙っているアメリア国と、カーヒル大尉を思い出しては泣くエキセントリックな姫様とは、やっぱズレがある。
そこら辺、作戦状況が変わった途端肉食獣めいた獰猛さを見せ、ガツガツ撃墜してたクリムの描写で強調されていたと思う。
あんなに面白いイキモノなのに、殺すときは殺すなぁ。
エキセントリックで自信過剰だけど、基本的な所軍人なのだろうか、クリム殿。

相変わらずラライアが優しく扱われてたり、会話のドッジボールで笑いを誘われたりしつつも、三話までのどこか長閑な空気が抜けて、戦場の気配が迫ってきた感じの回でした。
非常にフワフワした立ち位置のベルリ一行が自由に動けているのは、公式に開戦していないが故の余裕なのかなぁ。
事態が先に進んで、政治的情勢にゆとりが無くなってくるなら、主人公たちの立場も変わってきそうですね。

それはさておき、来週いきなりクンタラ仮面登場。
今回出陣式で突っ立ってただけの先輩に、一体何が起こってああなるというのか……。
このアニメ全然先が読めねぇ、マジ。

 

・ 天体のメソッド:第3話『記憶のありか』
えー!! 先週偉ッそうに『天体のメソッド=ミステリ論』をぶっ立てたワタクシでございますが、今回かなりの勢いでもうちょっと引っ張ると思っていた要素が一気に開陳され、すわ自説撤回かと思いきや色々考えてみるとまだ謎もあるので、まぁミステリ角度で掘っていくのはそこまで的外れでもねぇなという回。
いやー、ホントすごい勢いで色々判った回だった。
五人の記憶には食い違いがあるし、ノエルは物質干渉もできるし、乃々香以外にも認識できるし、可愛かったし、ヘッドフォンさんは愛が愛を重すぎるって理解を拒み憎しみに変わった人だったし、円盤は五人が呼んだし、ノエルは円盤だったし、ノエルは可愛かった。

このアニメ『藪の中方式』と言いますか、関係者の記憶と証言が食い違いながら提出されて全体像がちぐはぐに形成される形式をとっておるので、一度軽くまとめてみましょう。
 
・ 全ての起こりは七年前、仲良し五人組は北海道の片田舎で幸せに暮らしていた。
・ しかし乃々香は(おそらく)母親の療法のために東京引っ越しをしなければならず、それを残りの四人に言い出せないまま、思い出づくりのためにUFO降臨の儀式をとり行う。
・ その結果街には円盤が鎮座し、地上にはノエルという青髪の天使が舞い降り、乃々香の記憶からはそこら辺が全て吹っ飛び東京へと向かい、母は死んだ。
・ UFO召喚の最中から東京に行くまでの記述は省略されており、円盤がない世界と円盤のある世界、円盤が降臨したことで起こった変化については不明。
・ 残された四人は円盤という名前の罪悪が自分の頭の上に常時君臨する中、あるいは円盤追放運動に空回りし、あるいは乃々香への愛情を憎悪へと転嫁させ、バラバラに為って七年が過ぎた。
・ 望みを叶えるために降誕したノエルですが、何らかあって乃々香との約束を果たせぬまま七年間、誰にも気付かれずに帰還を待ち続ける。
・ そして七年後、乃々香が帰還し、物語は動き出す。

こんな感じでしょうか。
関係者の内こはると水坂兄の証言が取れてない(≒個別に掘り下げるエピソードがまだ起きていない)こと、円盤降臨の儀式が行われた時間軸と乃々香が東京に消える時間軸の描写がぼやかされているため、全容は未だ明らかではありませんが。
そこら辺を掘り下げ思い出していくことが即ち、面倒くさい重レズヘッドフォンこと汐音との和解に繋がっていくんでしょう。
二話までの状況で『これで引っ張るんじゃね?』と思っていた要素が早々と公開されたということは、もう少しヘヴィなエンジンを隠しているということか、別のアプローチで話を回すつもりなのか、それともなんにも考えていねぇのいねぇ。

ただ言えるのは、柚季が主張するような『円盤を追放すれば過去が回復され、秩序が取り戻される』というお話ではないということ。
もしそうなら、ノエルをあんなに幻想的かつノスタルジックなアイコンとして描写しないだろうし、柚季やこはると交流もさせないだろう。
柚季がその欺瞞性をうすうす感じ取りつつ全力で空回りしていた"円盤追放"という運動は、今回あんなに可愛い可愛いしていたノエルの消滅とイコールなのであって、記憶を取り戻した乃々香がそうであるように、おそらく柚季も今後変化を要求されていくんだろうなぁ。

変化といえば、スゲー面倒くさい重力系だった汐音をどう攻略していくかというのも、今後行わなければいけない変化でしょう。
愛が反転して憎しみになってるなら、もう一度反転させて愛に戻せばOKだとは思うのですが……ビンタだしなぁ。
結構難物に思えます……あのヘッドフォンまじ面倒い。


登場人物の心の変化をスムーズに行うためには、彼らのしこりになっているUFO召喚の真実にたどり着かなければいけないと思うわけですが、今回明らかになったように5人の記憶には食い違いがある。
ココらへんのすり合わせをしつつ、今までも解らず、今回もわからなかった謎『何故円盤は追放されなければならないのか』という具体的説明を追いかけていくのが、今後の展開になるのかなぁ。
今回の情報公開はいわば『何が』『誰が』を見せつつ『何故』を隠蔽した形なので、追求するのであれ動機と記憶。
看板娘と水坂兄の個別エピソードが来て、彼らが抱えている記憶と真実が公開されてくるとそこら辺見えてくんのかなぁ。
無論透明な円盤というのはあくまでメタファーであって、ロジカルな整合性よりもエモーショナルな落着を優先して進んでいく可能性もあるけど、そこら辺は全然読めねぇ。
感情的決着を優先する流れになっても、十分美味しくいただけそうなくらいキャラの描写は良いしね。

そこら辺顕著なのはとにかくノエルで、塵界の汚れを一切廃したかわいい動き満載で神の如き素晴らしさでした。
すすきを抱えて走るノエルや、顔ハメ看板を倒して謝るノエルなど、ノエル可愛い祭り会場は今回も大盛り上がりだった。
徹底して透明なイノセンスを強調してキャラクターへの庇護欲を煽り倒すというノエルの描き方は、プリパラ一期のそふぃに近い見せ方な気がしますね。


公開された情報で解明された謎もあり、不明であることが強調された部分もあり、やはり一部が見えることで別の部分が見えなくなる構成は健在。
根本的に『思い出の決着を着ける話』だというテーマの再確認も出来ましたが、その目処は全然付かない。
果たして乃々香はヘッドフォンの重レズビンタを掻い潜り、天使のくれた優しさに報いることが出来るのでしょうか。
……残り話数を考えると、なかなか簡単には行かねぇなこれ。

 

・ プリパラ:第16話『特ダネ!らぁらのヒミツばれちゃった!?』
新キャラの紹介もライバルチームの顔見世も終わり、2クール目も落ち着いてきたのでテーマを掘り下げていきますよ、という回。
徳田というアンチ・アイドルなジャーナリストをドル色に染め上げる過程を、直接的描写ではなくクッションを多用した演出で丁寧に飲み込ませる展開でした。
これが機能するためにはいろんな蓄積が必要になるわけで、プリパラが積み上げてきたものの意味がよく見えた回だなぁ、と思ったりした。


『アンチやりたければ叩き対象のアイドルのことは一切調べるな。必ず好きになって推しに変わるから、本気で叩きたければ、一切調べず印象論だけで煽れ』というのがドルヲタの基本戦術だと知った時、異常にカルマ濃い人種だなぁと思ったことを回想しつつ、徳田に起こったことはまぁそれで。
猛烈に噛み付いてらぁらに試練を与える仕事を担いつつ、その壁が(プリパラらしい笑いに満ちつつも)高ければ高いほど、憎しみが愛に転化した時のカタルシスは大きくなる。
さらに言えば、徳田はステージで新しい何かを見つけたわけではなく、今まで取材の中で見てきたソラミスマイルの日常が、そのままファンの満足とステージングの興奮、ユニットとしての一体感に繋がっているということに思い至っただけなのです。
それはつまり、プリパラという現象に対して主人公たちがどれだけ誠実に向かい合っているかを再確認する構図でもあるし、今まで視聴者が見ていた通りの彼女たちが、アンチ・アイドルすらアイドルファンに変えてしまう力を秘めているという構図でもある。
あれだけ粘着してたキャラクターが、ステージングと夢の舞台に向かう態度を"思い出し"て、遂には河岸を変える今回の展開は、アイドル・フィクションならやっておくべき"世間"の眼との対決という意味も含んで、オーソドックスながら充実した内容だったのではないかと。

今回の話しの重点は徳田のデレが最後の最後まで来ないところにあって、ラストのカタルシスを成立させるべく、徳田はソラミスマイルの日々の頑張りを徹底的に追いかけ続け、徹底的に噛み付き続ける。
そこのタメが一連の流れでひっくり返される力学が、今回のお話が持ってる満足度に強く関係していると思います。
取材根性執念もそうなんですが、ステージングとA子の無意識のアシストを起点にしてソラミスマイル(というか、プリパラとアイドル)の真実に気付くところといい、徳田が持っている"ジャーナリスト"というキャラ記号は、一見お笑いな仮面を被らされつつ、かなりしっかりと扱われています。
『悪意と偏見というフィルターを持っていたとしても、そこを突き抜けて届いてしまうのがステージングの魔力だ』という部分と、『歪んでいても徳田は優秀なジャーナリストであり、今までの取材の中に秘められてた真実に目を背けることの出来ない人物である』という部分両方が光っていて、終盤のスムーズな展開は凄く良かったです。
ココらへんの『笑いのオブラートで包みつつ、芯の硬い部分を視聴者に飲ませる』テクニックは、正にプリパラ演出の真骨頂というべきであり、蓄積の成果だなぁと思います。

積んでた貯金を活かしたのは何もストーリー展開だけではなく、らぁらがかつて真剣に向かい合い分かり合ったA子の言葉がキッカケになっているところだったりとか、「頑張り方は知らない」と明言していたそふぃが「頑張ってらぁらのこと判ってもらう」と宣言していたりだとか、今までの物語要素の回収という意味でもそうです。
キャラの話をするとラブちゃんが今回カメオで出ていましたが、彼女の時と同じく徳田も眼鏡という彼女の個性を壊すことなくプリパラで"なりたい自分"にチェンジしており、こういう夢の叶え方はブレないなぁと思います。
キャラ資産の活用という意味ではどう見てもRLのキャラがスターシステムで登場してた、つーかヲタ芸バリバリやってましたが、今回のコンテの川口敬一郎監督はRLでも何度も演出を担当しており、それ故の遊び心といったところかなぁ。
ええ、死ぬほど笑ったっす。


蓄財を使うだけではなく逆に要素を貯めこむ部分もあって、シオンの助け舟は一本筋の通ったライバルとしての好感度を、確実に稼げる妙手だったと思います。
いや、碁盤頭に乗せてウォーキングの鍛錬をする奇人だし、何かというと強制パキしてくるけどさあの人……。
作中の人物が一切あの異常な絵面にツッコむこと無く、視聴者にその役目を投げる"引っ張り込む"笑いの作り方は、森脇監督のコメディセンスが炸裂しており非常に好きです。

ドレパの細かい見せ方も今回良くて、ギャーギャー言いつつ奇っ怪な特訓に付き合ってるドロシーとか、なんで女子ファン獲得に女の子のキスマークが効果ありなのかとか、こっちを笑わせて印象をねじ込んでくる手腕は素晴らしい。
ドロ子、思いの外シオンの事好きなんじゃねぇかな……。
ドレパは相当ゲスなムーブをしているのですが、仕草とか声とか細かい部分が可愛らしくて、憎むべきなのに憎めないという魅力的なライバルに仕上がってきました。
あとまぁ、底抜けのバカが三匹集まってるだけなので、憎もうにも憎めないというか……。

まとめると、『アンチ・アイドルの改心』というストーリーラインを活かして、現在のソラミスマイルが持っている力を視聴者に再確認させる、中盤に一回は欲しいエピソードだったと思います。
こういうお話が真ん中に来ると、シリーズ・アニメとしてのバランスは格段に良くなる。
おそらくドレパとの決戦が待っているであろう2クール目クライマックスにも期待の持てる、良質のお話でした。